無農薬栽培の記録

吉田 嘉兵衛さんの無農薬栽培の記録


なぜ生産しにくい無農薬栽培にこだわるのか??

サラリーマン生活にピリオドを打ち選択した私を待っていた農業は、機械化大規模化、集団化、化学肥料農薬の大量使用による地力の低下を進行させ、農産物の生命力弱体化が進み、収量の低下、食味の低下、安全性の低下は急速に進んでいました。
国内産は安全だと思いがちですが、化学肥料の使用量の最も多い国は日本といわれています。
農薬を使用すれば、草が生えてこなくなるのは本当に不思議だけど、それくらい強い農薬が使われているのです。
草だけでなく、土によい微生物まで殺してしまうと生態系ピラミットが崩れ、虫がいなくなり、それを食べる魚や蛙がいなくなり、いずれは人間の身体も化学肥料農薬に侵されます。
私、小規模経営でも化学肥料、農薬使用を断ち切り、父母が営んだ百姓に立ち返り、独自の米作りで安全で美味な米作りを決意し現在も挑戦し続けています。




温湯殺菌
温湯殺菌とは、種もみをお湯に浸して殺菌する作業です。農薬を使わないで種もみを殺菌する方法です。




ポット育苗箱への種まき
この作業は、とても細かい作業で小さなくぼみの中にまず土を入れ、その上に種を2~3粒入れさらにその上にまた土を掛けるといった気の遠くなるような作業です。




ビニールハウスに育苗箱を並べる
苗代の床作りできれいに均等に均した苗代の床に育苗箱をきれいに並べていきます。




苗踏み
「苗踏み」とは、発芽した苗を踏んでしまうことです。

始めて見る方は、なんてことするんだろうとびっくりされると思いますが、この作業にはいくつかのちゃんとした理由があるのです。
ひとつは、ぬくぬくと育てた苗は病気になったり倒れやすくなるのですが、ライオンは子供をがけから突き落とすというように苗もこの時期に踏んでやることでエチレン効果で太くて強い頑丈な
苗になるのです。
もうひとつは、苗の成長は苗によってばらばらで芽が長いものや短いものがありそれを踏むことにより長い苗の成長を一時的に止めその間に短い苗の成長して一定にする効果があります。

苗踏みとは、とても重要な作業なのです。




田植え
田植えは、普通1坪に約60~70株ぐらい細かく植えます、しかし吉田さんは、1坪に約38株程度しか植えません。
細かく植えると光が当たらないので根が細く弱い稲になってしまいます。
間隔を広く植えると光が良く当たり元気で強い稲になります。
無農薬米を作るには、稲が太く元気な稲じゃないとだめなのです。




機械での草取り
田植えしたばかりの苗がまだ小さい間だけですが、機械を使って行っています。
この機械には、スクリューが付いてこのスクリューを回転させ田んぼの底の小さな雑草を取ります。
他にもこのスクリューは、草取り(除草)と同時に2つの重要な作業を行います。
その1:田んぼの中に酸素を送りこみます。
その2:しろかきやあらおこしの時に田んぼの中にすきこんだ雑草などが発酵してガスを発生させるのですが、そのガスを抜きます。

※発生したガスは、根を痛めてしまい、このガスを抜いてやらないと美味しいお米ができません(食味が落ちます)。

無農薬栽培でのこの時期の草取り(除草)は、生産者によって機械が違ったりいろんな独自のやり方があるのですが、吉田さんのやり方は、一つの作業でいくつものことを行いとても効率が良くすばらしいと思います。
機械での草取りの場合は、機械で苗を倒してしまうことや抜いてしまうことがあるので少しづつ進んで倒れてしまった苗は、植えなおしていく作業を同時に行います。
とても体力を使う大変な作業です。




草取りとかぶかき
苗が大きくなると機械での草取りができなくなるので、手での草取りとなります。
草取りもただ草をとるだけでなく草をとりつつかぶかき(機械などで盛り上がった稲の土をならして環境を良くすること)をしつつさらに株と株の間が狭まっていると、手でできるだけ光が根っこに当たるように広げていく作業を行います。
この時期に草取りをちゃんとしておかないと、もう少しするとクキヒと言う肥料を与えるそうなのですが、雑草に肥料を与えてしまうようなものになってしまうからちゃんと草をとっておかないといけないのです。




溝切り
溝切りとは、田んぼに溝を堀り、排水口につなげておく作業のことです。
一見スクーターの様な機械で田んぼに溝を掘って行きます。
溝切りを行う目的は、排水を均一にスム-ズに行え、入排水ができ中干しがスムーズに出来るのです。

水の管理はとても難しく溜めすぎると根が腐り、土が割れると根も切れてしまうので、ちょうど良い状況にしないといけないのです。
普通の方は、排水に重点を置き溝を掘る間隔も15~20株に1溝掘るというのが普通です。
しかし吉田さんは、排水も大事ですが、どちらかというと稲の根のために溝を掘ります。
溝を掘る間隔も4~5株に1溝掘ります。

なぜ間隔を少なく溝を掘るかというと稲の根っこは、真下に向かって生えていく根と斜め45度に生えていく根と田んぼの表面近く生えてる根の3つ分かれるのですが、一番食味に関係してくる根っこは、田んぼの表面近く生えてる根(うわ根)なのです。
このうわ根は、田んぼを乾燥させすぎるとちぎれてしまいます。
ちぎれるとお米の味は、下げってしまいます。

吉田さんはこのうわ根をちぎれないようにするために、とても手間がかかるのですが、普通の方より細かく溝を掘って溝に水を絶えず溜めておき田んぼが乾燥し過ぎないように調節するのです。




稲刈り
家族総出で稲刈りを行います。